これまでの現場経験の中で、新しく来た職員さんが、何も悪いことをしていないのになんとなく敬遠されてしまうケースを何度か見てきました。

それは、どんな人だったかというと……

 何も悪いことをしていないのに敬遠される人とは

何も悪いことをしていないのに敬遠される人は…

  • 明るくて元気、やる気に満ちている人
  • フレンドリーで親しみやすい人

どちらも本当に「良いこと」ですよね。

何も悪くないし、むしろ素晴らしい人柄だと思います。
この問題は保育業界に限らず、考えてみると、どの職場でも似たようなことがありそうです。

営業職で「やる気がありすぎて空回り」したり、接客業で「フレンドリーすぎてお客様との距離感を間違える」といった話も聞きますよね。

特に保育業界は女性中心の職場で、チームワークや協調性を大切にする文化があります。そのため、「空気を読む」ことや「謙虚さ」が特に重視される傾向があるのかもしれません。

なぜ敬遠されてしまうのか

実際に現場を見ていると、私はちょっとヒヤヒヤすることがありました。

なぜかというと、「やる気に満ちた姿勢」の人や「距離感が近い」人に対して周りが少し引き気味なのが感じられたから。

それはどうも、

  • 謙虚さが足りない
  • 馴れ馴れしい
  • 新人なのに対等な目線で接してくる

そんな風に映ってしまうようなんです。
本人に悪気はないし、むしろ良いことなのに、受け取る側が「なんとなくモヤモヤ」する。結局は「ちょっと鼻につく」という現象なんですよね。

保育業界は特に経験年数による先輩後輩の序列意識もあるため、この「見えない偏見の目」に引っかかりやすいのかもしれません。

実際に起こったこと

このタイプの方は本当に悪気がなくて、むしろ良い人なのに、どうしても一部の人から距離を置かれてしまう。どうしてそれが分かるかというと、他の職員から「今度来たA先生って、ちょっと変わってるよね?」と聞かれるからです。

「変わってる」という言い方は、あまり良い印象ではない、つまり何となく気に入らないということです。

それをストレートに言うと自分が悪者になってしまうから、こんな遠回しな言い方をするんですよね。

面白いことに、複数の職場で同じような場面に遭遇しました。

私が心がけていること

そんな時、私が返す言葉は決まっています。

「そうかな、感じのいい人だよ」

「すごく頑張ってくれてて、ありがたいよね」

そうすると、その人はもうそんなことを私には言わなくなります。そして、そのうちの何人かが「そうか、そうなのかも」と見方を変えてくれることもあります。

新しい職場で気をつけたいちょっとしたこと

本人は「仲良くなりたい」「早く役に立てるようになりたい」という純粋な気持ちで行動しているだけなので、本当に悲しいな…と思います。

もし新しい職場で働き始めるときは、こんなことを少しだけ頭の隅に置いておいてもらえたらと思います。

まずは敬語を基本に

いくら人生経験が豊富でも、その職場では新人です。最初のうちは、敬語で接することをおすすめします。

距離感を大切に

プライベートな話題で盛り上がりすぎたり、馴れ馴れしくしすぎないよう、少し控えめなくらいでスタートするのが丁度良いかもしれません。

最後に

これは決して「大人しくしていなさい」ということではありません。あなたの明るさや熱意は、きっと相手に伝わる日が来ます。

ただ、どの職場にも「見えない偏見の目」があり、最初の印象がその後の関係に大きく影響することもあります。少しずつ距離を縮めていく方が、結果的に良好な関係を築きやすいのかなと思います。

保育業界に限らず、新しい環境では相手の様子を見ながら、徐々に自分らしさを出していく方が安全かもしれませんね。

そして、もしあなたの職場に新しい方が来たときは、その人の良い面を見つけて、周りにも伝えてもらえたら嬉しいです。

みんなが働きやすい職場は、きっとそんな偏見のない小さな思いやりから生まれるのだと思います。