保育現場で使われる言葉|試験組保育士が戸惑いやすい23の用語

保育士試験に合格していても、実際に保育園で働き始めると、聞いたことのない言葉に出会うことがあります。
保育現場では当たり前に使われているため、意味を知らなくても、わざわざ説明されないこともあります。

私自身も試験を受けて保育士になりましたが、働き始めてから初めて知った言葉がいくつもありました。

ここでは、保育現場で実際に使われる言葉の中から、初めて聞くと意味が分かりにくく、知らないと戸惑いやすいものを中心に紹介します。

なお、言葉の使い方や呼び方は園によって異なる場合があります。

以上児(いじょうじ)

一般に、3歳児・4歳児・5歳児クラスの子どもを指します。

「以上児さん」と呼ばれることもあります。

一方、0歳児・1歳児・2歳児クラスの子どもは「未満児」と呼ばれます。

園によっては「幼児」「乳児」など、別の呼び方をすることもあります。

未満児(みまんじ)

一般に、0歳児・1歳児・2歳児クラスの子どもを指します。
3歳児以上を指す「以上児」と対になる言葉です。
「未満児クラス」「未満児さん」のように、日常の会話でも使われます。

0歳児さん限定で「ゼロちゃん」と呼ぶのも聞いたことがあります。

本児(ほんじ)

記録などで、その記録の対象となっている子どもを指すときに使われる言葉です。
たとえば、ある子どもの行動について記録するとき、その子を「本児」と表現しています。

他児(たじ)

「本児」に対して、そのほかの子どもを指す言葉です。
記録の中で、
「本児が遊んでいるところへ他児が近づき……」
のように使われます。

普段の会話ではあまり使わなくても、記録ではよく目にします。

産明け(さんあけ)

「産休明け」の意味で使われる言葉です。
産後休業を終えた時期から保育所を利用することを「産休明け保育」「産明け保育」などと呼ぶことがあります。私が働いた園では「産明けさん」と呼んでいました。

家欠(かけつ)

「家庭の都合による欠席」という意味で、「家欠」と略すことがあります。
病気による欠席(病欠)などと区別するため、出欠や健康に関する記録で使われることがあります。

これは全国共通の正式な保育用語というより、園や地域によって使われることがある略語として知っておくとよいでしょう。

午睡(ごすい)

お昼寝のことです。

日常会話では「お昼寝」と言っていても、保育日誌や指導計画などでは「午睡」という言葉がよく使われます。

視診(ししん)

子どもの様子を目で見て、健康状態などを確認することです。
登園時には、顔色や表情、けがの有無など、いつもと違う様子がないかを確認します。

補食(ほしょく)

食事と食事の間などに、必要な栄養を補うためにとる軽食です。
保育園では、午後のおやつのほか、朝や延長保育の時間帯などに提供されることがあります。

「捕食」とは意味が違うので、記録するときは漢字にも注意したい言葉です。

喫食(きっしょく)

食事をとることです。

「喫食する」「喫食状況」「喫食量」など、給食や記録に関する場面で使われます。

喫食時間(きっしょくじかん)

食事をとる時間を指す言葉です。給食の衛生管理では、調理後から喫食までの時間も重要になります。
給食には調理後の時間管理が必要なため、園の衛生管理のルールとあわせて確認しておきましょう。

衛生管理マニュアルなどでは、調理終了後から2時間以内に喫食することが望ましいとされています。

調整粉乳(ちょうせいふんにゅう)

乳児用の粉ミルクなどを指す言葉です。
家庭では「粉ミルク」と呼ぶことが多いため、初めて聞くと分かりにくいかもしれません。

乳児クラスの記録やミルクに関する書類などで使われることがあります。

調乳室(ちょうにゅうしつ)

乳児のミルクを調乳したり、哺乳瓶などを扱ったりするための場所です。
衛生管理が特に重要な場所なので、入室や器具の扱いなどについて園独自のルールが設けられていることもあります。
働き始めたら、その園の方法を確認しておきましょう。

除去食(じょきょしょく)

食物アレルギーなどに対応するため、原因となる食品を除いて提供する食事です。
誤食は重大な事故につながる可能性があります。
除去食を扱うときは自己判断せず、その園で決められた確認方法や提供手順を必ず守ることが重要です。

乳アレ(にゅうあれ)

「乳アレルギー」を省略した言い方です。
職員同士の会話などで使われることがあります。

ただし、すべての園で使われる共通の言葉ではありません。

嘔吐セット(おうとセット)

子どもが突然嘔吐したときに、すぐ処理できるよう必要な物品をまとめて準備しておくものです。
使い捨て手袋やエプロン、ペーパー類、ビニール袋などがセットされています。
中身や保管方法、嘔吐物の処理方法は園によって異なるため、実際に必要になる前に、置き場所と使い方を確認しておくことをおすすめします。

清拭(せいしき)

身体をタオルなどで拭いて清潔にすることです。
乳児の身体を清潔にするときなどに使われる言葉です。
「体拭き」と呼ぶ園もありました。

また、物品などを拭いて清潔にする意味で「清拭」という言葉が使われる場合もあります。

避難車(ひなんしゃ)

まだ長い距離を歩くことが難しい子どもたちの散歩や、避難などに使用する大型のカートです。
園によって、

  • 散歩車
  • お散歩カー
  • バギー
  • カート

などと呼ばれることもあります。
立ち乗りタイプや座って乗るタイプなどがあり、扱い方も製品によって違います。

初めて使うときは、ブレーキやストッパー、折りたたみ方などを確認してから使用しましょう。

巧技台(こうぎだい)

運動遊びなどに使用する保育用の運動器具です。
ほかの器具や平均台、はしご、マットなどと組み合わせて、さまざまな運動遊びに使われます。

名称を知らないと、
「巧技台を出してください」
と言われても、どの器具のことなのか分からないことがあります。

登攀棒(とうはんぼう)

いわゆる「のぼり棒」のことです。
漢字から読み方を想像しにくいうえ、口頭で「とうはんぼう」と言われると、初めて聞いた人には何を指しているのか分かりにくい言葉です。

私自身、働き始めた頃に
「登攀棒の横に設定します」
と言われ、何のことなのか分からず戸惑った経験があります。

こうした言葉こそ、試験勉強だけでは気づきにくい現場の言葉だと思います。

ナイチンゲール

哺乳瓶などの殺菌・保管に使われる紫外線殺菌保管庫の商品名です。
園内では、製品そのものを「ナイチンゲール」と呼んでいることがあります。
調乳室などに設置されていることがありますが、すべての園で使用されているわけではありません。

ピューラックス

次亜塩素酸ナトリウムを成分とする殺菌・消毒剤の商品名です。
保育施設では、衛生管理や消毒などの場面で使われています。

用途によって濃度や使用方法が異なるため、自分の判断で希釈したり使用したりせず、園で決められた方法に従うことが重要です。

衣類などに付着すると脱色することもあるため、取り扱いにも注意が必要です。

ブッカ

絵本の表紙などを保護・補修するために使われる透明な粘着フィルムを指して、「ブッカ」と呼ぶことがあります。
「この絵本にブッカをかけておいて」
などと言われると、知らなければ何をすればいいのか分かりにくい言葉です。

すべての園で使われる名称ではありませんが、絵本の補修や保護を任されたときに耳にすることがあります。

保育現場には、試験勉強では出会わなかった言葉や、知っている言葉でも現場独特の使い方をするものがあります。

そして、長く働いている人にとっては当たり前の言葉なので、新しく入った人が知らないことに気づいてもらえない場合もあります。

聞いたことのない言葉が出てきたら、
「すみません、○○というのはどれですか?」
と、その場で確認して大丈夫です。

すべてを働き始める前に覚えておく必要はありません。

「聞いたことがある」「たしか、こういう意味だった」と思い出せるだけでも、現場での戸惑いは少なくなります。

保育士試験で身につけた知識に、こうした現場の言葉を少しずつ加えながら、自分の中の「保育現場の知識」を増やしていけばいいのだと思います。

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