0歳児~2歳児クラスでは、必ずおむつ替えの援助があります。
子どもの発達に合わせて援助内容は変わりますが、衛生面に関しては、どの年齢も同じ基準で対応します。
しかし、この衛生基準が保育園によって大きな差があるという経験をしてきました。
どれが一番正しいのかはわかりませんが、衛生に配慮している保育園からそうでない保育園に転職すると、ビックリすることになります。
おむつ替えにおける衛生面の考え方
ご家庭で子どものおむつ替えをするときは、どのくらい衛生で気を配っていますか?
たとえば、おむつ替えしたら手を洗う。使用済みおむつは専用ゴミ箱へ。臭い対策もしておこう。
そのくらいかな。
保育園は集団生活ですから、感染症予防の観点から家庭よりも衛生面に配慮が必要です。
排せつ物、嘔吐、血液には、決して素手では触りません。
よだれや鼻水は避けられないんですけどね…。
家庭と同じ基準でおむつ替えをしたからと言って、すぐに感染などの結果に現れるとは限りません。
だからと言って、家庭と同じじゃだめなんです。
集団生活の場である保育園では、しっかり衛生面に気を付けておむつ替えをします。
私が経験した過去一番衛生的なおむつ替え
ここからは私が実際に経験した、過去一衛生に気を配っていた保育園でのおむつ替えをご紹介します。
尿のみの場合
- 保育士はエプロンを外す
- 使い捨てゴム手袋をつける
- おむつ替えマットを敷く(保育室内)
- おむつ替え用のつい立てを設置して目隠しをする
- 使用済みおむつを置くシート(新聞広告などの紙)を準備
- オムツは決してマットや保育室の床に直接置かない
- おむつ替えが終わったら使用済みおむつ、シート(広告)、ゴム手袋はトイレのゴミ箱へ
- 手を洗いアルコール消毒
- マットは使用後にアルコール消毒
- マットと衝立を片付ける
便の場合
- オムツとおしりふきを準備して別室のおむつ交換台でおむつ替え
- オムツ交換台におむつ替えシートを敷く
- 保育士はエプロンを外す
- 使い捨てゴム手袋をつける
- 使用済みおむつを入れるポリ袋を準備
- そばに設置してある汚物流し(大きい便器みたいなところ)に流せる便は流す
- 使用したおしりふきとおオムツは一緒にビニル袋へ
- おしりふきは流さない
- 使用済みおむつと手袋は指定のゴミ箱へ捨てる
- おむつ替えシートとおむつ交換台を消毒
- 手洗いアルコール消毒
いくつもの工程があって大変そうに見えるけど、毎日何度もすることなのですぐ覚えられます。
私が経験した過去一番アバウトなおむつ替え
私が出会ったなかで、一番アバウトだったおむつ替えの流れです。
(関係者の方、ごめんなさい)
尿のみの場合(アバウト編)
- 保育室でおむつ替え
- おむつ替えマット無し、衝立無し
- エプロンはそのまま、手袋無し
- 使用済みおむつは保育室の床へ置く
- おむつ替えが終わったら保育室内のゴミ箱へ
- 手洗い無し
- 本当は洗うのがルールだが手洗場までの導線が悪くて省略されていた
- 床の消毒無し
- 保育室の床は、別途まとめて消毒する
便の場合(アバウト編)
- おむつとおしりふきを準備して別室のおむつ交換台でおむつ替え
- 使い捨てゴム手袋をつける
- 使用済みおむつを入れるポリ袋を準備
- 便はそばに設置してある汚物流し(大きい便器みたいなの)に流せるものは流す
- 使用したおしりふきとおおむつは一緒にビニル袋へ
- おしりふきは流さない
- 使用済みおむつと手袋はトイレ内のゴミ箱へ捨てる
- おむつ交換台を消毒
- 手洗いアルコール消毒
便の時の交換はだいたい同じですね。
衛生面に気を使っていた保育園からの転職だと、保育室のゴミ箱に使用済みおむつを捨てるのは、さすがに気持ち悪い…。
でも、もしもアバウトな保育園から衛生面に厳しい保育園に転職したら、あなたのやり方では注意されてしまうでしょう。
新しく入った人が長年そのやり方でやっている現場の先輩保育士にあれこれ指摘や提案をするのはまだ早いです。しかし、良くないと思うやり方に慣れてしまうのは避けたい。
だから、自分の中でだけは「これは絶対譲らない」というポイントをだいじにしてほしいです。
今の保育園で提案するなら、あなたに発言力がついてきてからです!
子どものプライバシーを守る意識
衛生面と同じくらい重要なことが、おむつ替えのときの子どものプライバシーです。
保育室で目隠しをしないでおむつ替えをすると言うことは、ほかの人の目に触れるということ。
それは保育者だけではありません。
お迎えにいらした他の保護者かもしれない。
上の年齢の園児かもしれない。
最近はおむつ替えの時に衝立を立てて目隠しをする保育園が増えていると思います。
しかし、目隠し用のつい立てを採用していない保育園も存在します。
0歳児にだってプライバシーを守る権利があるでしょう?
保護者だってお迎えに行ったら、ほかの保護者がいる前で我が子がおむつ替えしてるの、嫌じゃないかなぁ。
おむつ替え時のプライバシーに関する問題は、自治体がもうすこし積極的に指導してもいいのではないかなぁ、と思う今日このごろです。
1歳児さん以上のおむつ替え時の援助について
自分でズボンを下ろしたり履いたりを練習するころになると、おむつ替えの援助内容が子どもによって少しずつ変わってきます。
ズボンを前後間違えずに履けるよう前向きに置いてあげたり、最後におしりが引っかかっていたら、後ろからズボンを引っ張り上げたり。
時間がかかっても自分でできるように指導しているクラスもありますが、時と場合にもよります。
入職したての保育者だと、子どもが甘えられる相手と見抜いていて、できないふりをしたりすることもあります。
「なめられてる!」なんてショックを受けないで!みんな最初は同じだから。
普段の様子を見ながら担任の意向に従って援助するようにしたいですね。
おむつ替えひとつとっても、保育園によって違いますね。
長くそこにいる人は、それが普通と思ってやっている。
そのことを忘れずに、怒らず、ショックも受けず、自分の感覚は大事にしながら上手につきあっていって欲しいです。
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