保育園で子どもの寝かしつけに時間がかかると、仕事は進まないし休憩時間は減っていく…。
眠れず騒ぐ子どもがいれば他の子どもの午睡を邪魔してしまうし、眠れない子にも悪影響です。
他の先生が次々寝かしつけていくと、焦って余計に上手くいかないことも。
そこで保育園で保育士が実践しているとっておきの方法をご紹介します。
- 1. 保育士が教える寝かしつけ技の基本
- 1.1. トントンのヴァリエーション
- 1.2. 子守唄
- 2. 保育士が教える寝かし技6選
- 2.1. 1. 横抱きスイング
- 2.2. 2. 子どもの手の動きを止める
- 2.3. 3. 子どもの視界をさえぎる
- 2.4. 4. まばたきを誘う
- 2.5. 5. 頭のてっぺんを温める
- 2.6. 6. 髪の毛をシャカシャカする
- 3. 【原因別】なかなか眠れない子どもの対処法5選
- 3.1. 1. 鼻水・咳のひどいとき
- 3.2. 2. 肌が乾燥してかゆいとき
- 3.3. 3. もともと睡眠が短い子ども
- 3.4. 4. 家庭に変化のあった子ども
- 3.5. 5. 発達障害のある子ども
- 4. 寝かしつけには環境も大事
- 4.1. 部屋は薄暗く適温に
- 4.2. BGMを流す
- 4.3. 子どもが嫌がることはしない
- 5. 『寝かしつけ』は眠るためのお手伝い
保育士が教える寝かしつけ技の基本

トントンのヴァリエーション
トントンするのは基本中の基本なので、子育て経験のある人ならだれでもやっているでしょう。しかし保育士は豊富なバリエーションで『トントン』を使います。
- 優しく、リズムよくトントン
- ゆっくりトン、トン
- 小刻みに小さくトントントントン(1秒に4回程度)
- さするようにトーントン
- 腰を横からトントン
- お尻を下から少し突き上げ気味にトントン(効果大)
トントントン、と心地よい揺れは、子どもがお母さんのおなかの中で経験していた感覚です。
トントンの『揺れ』が子どもを眠りに誘います。
たまにバン!バン!と強くトントンするほうが寝てくれるという人もいますが、それはやめましょう。痛いと言えずに我慢している子もいます。
好みは子どもによって違い、同じ子でも日によってちがうパターンで眠るときもあります。
子守唄
子守唄には聞いている子どもにも、歌っている大人にもリラックス効果があります。
どの歌を歌うかより、あなたの好きな歌を穏やかな気持ちで静かに歌ってあげましょう。
上手いヘタは関係ないし、歌詞が違っても問題なし。
鼻歌でOKです。
最初のうちはいきなり歌おうとしても案外歌えないものです。
口をついてスッとでてくるような、あなたがよく知る唄を午睡で歌うために用意しておくと慌てなくてすみますよ。
保育士が教える寝かし技6選

ここからが本番です。
保育士が教える寝かし技は次の6つです。
- 横抱きスイング
- 子どもの手の動きを止める
- 子どもの視界を遮る
- まばたきを誘う
- 頭のてっぺんを温める
- 髪の毛をシャカシャカする
寝かしつけに入る前に、まずはひとつ、大きく深呼吸をしてください。
早く寝かさなきゃ! なんて焦っていると、子どもはその気持ちを感じ取ってしまいます。子どもは敏感です。
寝かしつけは子どもの「眠る」お手伝いをしてあげること。
子どもがリラックスして気持ちよく眠りに入れるよう、ゆったりした気持ちでいきましょう。
1. 横抱きスイング
子どもを横抱きにして寝かしつける方法です。0歳児~1歳児でなかなか眠れない子に使うことが多い技です。

① 自分のお腹に子どものお腹がくっつくように横抱きにし、お尻をささえる腕は子どもの足の間から通して、しっかり安定させてください。
② 自分の体を軸に腰のあたりからひねるようにスイングさせます。体が無理なく回転する幅で大丈夫。「揺らす」という感じが近いです。
③ スピードは1往復に2秒~3秒かけてください。これ以上速いと、あなたも目が回りますよ!
コツは子どもが見ている景色が視界で止まらないようにすること。
動く景色に視線が追い付かず、そのうちまばたきをし始めます。
目をつぶる動作がゆっくりになってきたらあと少し!
タオルを体にかけてあげて抱くと、布団に下ろすときに子どもの体感温度がいきなり下がらないので下ろしやすいです。
2. 子どもの手の動きを止める
子どもは、自分の手が動いてしまうことに気が散って眠れなくなります。
優しくさりげなく手の動きを止めてあげてください。
腕や手をゆっくりさすりながら手の動きをやんわり止めて、毛布の下へ手をしまってあげましょう。
3. 子どもの視界をさえぎる
子どもは視界に入る情報に刺激をされて眠れない時があります。
目から情報が入ることをやんわりと防いであげましょう。
① てのひらで視界をさえぎる方法
目隠しをするのではなく、顔から10cmほど離したあたりで手をかざし、さりげなく視界をさえぎります。顔の前にてのひらをかざしながら、そっとおでこをなでてあげるのもいいですね。
② 自分の体で視界をさえぎる方法
保育士の動きや、まだ寝ていない子の動きが見えると、そちらの方に気が散ってしまうことがあります。そんなときは、自分の体を視界を遮るように移動させて見えないようにします。
行動はさりげなく。
そこから体をさすってあげたり、いろんなトントンをしてあげたりして眠りに誘いましょう。
4. まばたきを誘う
眠たいのになぜか目を閉じない子どもたち。
まぶたを閉じると大人でもフッと眠気が来ませんか?
子どももついうっかりまぶたを閉じてしまうと眠気が襲ってくるようです。
① おでこをさする方法
手でおでこを優しく左右にすりすりすると、まぶたを閉じる回数が増えて眠りに入りやすくなります。
② 眉間(みけん)をなでる
指先でそっと眉間に触れて、鼻筋をなぞるように上下に動かします。 眉間(みけん)を触れられることで、まぶたが閉じやすくなります。
顔を触るときは傷つけないよう、指が目に入らないよう十分注意してください!
最初のうちはまばたきのスピードが速いかもしれませんが、スローになってきたらこっちのものです!
だんだん目を開くのが遅くなって、そのうち眠ってしまいます。
5. 頭のてっぺんを温める

頭のてっぺんをてのひらで覆うようにジワっと温めます。このときてのひらは動かしません。
頭のてっぺんには「百会(ひゃくえ)」というツボがあり、ここを温めることで血行が良くなりリラックスするのです。
手のひらを頭にピッタリつける必要はありません。片手で頭を温めながら『おでこスリスリ』や『トントン』を試してみましょう。
6. 髪の毛をシャカシャカする
頭をなでるよりすこし大きく手を動かす『シャカシャカ』も効果があります。イメージは、髪の毛についた枯れ葉を優しく払い落とす感じ。
頭にはリラックス効果のあるツボがたくさんあるので、後頭部や側頭部などいろいろ試してみて。
このときも、やっぱり優しくね!
【原因別】なかなか眠れない子どもの対処法5選
なかなか眠れずにぐずる子には、それぞれ理由があります。
体調や環境に変化がないか、もともと眠りが苦手な子なのかなどの見極めてください。
なかなか眠れない原因
- 鼻水・咳のひどいとき
- 肌が乾燥して痒いとき
- もともと睡眠が短い子ども
- 家庭に変化のあった子ども
- 発達障害のある子ども
それではひとつずつ解説していきます。
1. 鼻水・咳のひどいとき
風邪をひいていて鼻水が出るときや咳が出るときは、寝つきが悪く目を覚ましやすくなります。
横になっていると鼻水が鼻の奥から喉に落ちてきて苦しいので、タオルなどを布団の下へ入れて頭を高くしてあげましょう。
子どもの状態にもよりますが、これで少しは眠りやすくなります。
2. 肌が乾燥してかゆいとき
肌が乾燥や汗でかゆいと、なかなか眠れません。
そんなときは肌に直に触れて指先でスリスリとさすってあげます。たいていは背中ですが、ときどきお腹や二の腕のこともあります。
お話の出来る子のなかには、自分から「カリカリして!」と言ってくる子も。爪を立てず、指でさすると気持ちよく眠れるようです。
スリスリする時は決して爪を立てて強くこすらないように!
肌に疾患があるときは医者からの指示が出ている可能性があるので、直接肌に触れていいか保護者の許可を取ってからがいいですね。
3. もともと睡眠が短い子ども
睡眠時間には個人差があり、いつも短い時間で起きてしまう子もいます。
必ず寝かせないと! なんて思わずに、眠りに入る時間を遅らせるなど工夫しましょう。
先輩保育士が普段の様子をよく知っているので、「いつもはどんな感じですか?」と聞いてみるといいですね。
何ごとも無理強いすることの無いようにしてください。
4. 家庭に変化のあった子ども
おうちが引っ越しをしたり、赤ちゃんが生まれたりすると子どもは不安定になります。環境の変化が原因でなかなか寝付けず泣き続けることも。
その場合も担任がよく事情を知っているので、無理をしないで担任に聞いたり相談したりしながら対応を決めていきましょう。
5. 発達障害のある子ども
発達障害のある子どものなかには、人一倍眠るのが苦手な子がいます。一部の脳機能の発達やホルモンのバランスに原因があると言われていますが、はっきりしたことは分かっていません。
どうしても眠れないときは無理をせず、別の部屋で相手をするなどの対応に切り替えた方が良いでしょう。
子どもが静かに集中できそうなおもちゃを用意してあげると落ち着いて過ごせるようになります。
寝かしつけには環境も大事
ここまでは『寝かしつけ技』をご紹介してきましたが、環境を整えるのも大事なことです。
快適に眠れるように、そして『お昼寝の時間』だということがわかるように環境を作ってあげましょう。
- 部屋は薄暗く適温に
- おもちゃは目に入らないように
- BGMを流す
- 子どもが嫌がることはしない
保育園によって、子どもの年齢によって午睡の環境は違います。なかなか眠れない理由が環境にあるようでしたら、違う方法を試してみるのもアリです。ただし、あなたと担任とのコミュニケーションが取れるようになってからです!
部屋は薄暗く適温に
いつもより薄暗くなるだけで光の刺激が減り、お昼寝の合図にもなります。
室温の調節はとても大事で、1度変えただけで眠りに影響が!夏場なら27度前後、冬場は21度前後で湿度50%くらいが目安です。
大人よりも暑がりですから、子どもの様子をよく見て調整しましょう。
カーテンについて
窓のカーテンは午睡時に閉める保育園と閉めない保育園があります。最近は閉めないところが増えているように思います。カーテンを閉めたいときは先輩保育士に確認してからにしましょう。
BGMを流す
オルゴールや子守唄のようなCDをかけるところは案外多いです。音楽を流すことで『寝る時間』の合図となり眠る習慣ができてきます。
ただしBGMのせいで眠れなくなる子どももいるようです。
子どもが嫌がることはしない
なかには寝かしつけられるのを嫌がる子もいます。
そばにいるだけで「あっちいって!」なんていうことも。
嫌がるときは無理強いしないで!
子どもによって寝かしつけの好き嫌いがあり、おなじ子でも日によって違うときがあります。
様子を見ながら、先輩保育士に聞きながら、その子の好きな方法で寝かせてあげてください。
『寝かしつけ』は眠るためのお手伝い
眠たいなら寝ちゃえばいいのに、上手に眠れない子どもたち。そんな子どもたちの眠るお手伝いが保育士の『寝かしつけ』です。
しかし、寝かしつけに「絶対」はありません!
寝かしつけは
- 子どもによって好みが違う
- その日の気分で違う
- 体調によって違う
- 好みは変わる
- 寝ない日もある
寝かしつけ役を他の人に変わったとたんに子どもが眠ってしまうと、なんだか自信喪失してしまいますよね。
でも、子どもの気持ちが切り替わったことで眠れることもあるのです。
『寝かしつけ』は神経質にならず、寝ても寝なくても気にしないでゆったりと構えていましょう。