私は、休憩時間がとても苦痛でした。
ある保育園で働いていたとき、和室の休憩室があり、みんなそこで過ごしていました。上履きを脱いで、輪になって座るスタイルです。
狭い部屋で顔を合わせながらの休憩……
これが私には耐え難かったんです。
休憩室が苦痛
みんながマイカップでコーヒーを飲む中、私は飲みませんでした。なぜなら、休憩室のコーヒーにはルールがあると思うけど、それを誰にも聞けなかったからです。
寒くなると、みんなで一枚の毛布に足を入れて座るんです。それがさらにつらくて、結局、休憩時間をそこで過ごすのをやめました。
「別室でちゃんと休憩できるだけありがたいでしょ!」
と聞こえてきそうですが、当時の私は
「休憩するくらいなら仕事をしたい」
と思っていました。
そして休憩時間になると、用事があるふりをして外へ出て、車で一人で過ごすようになったんです。
今になってわかりますが、その行動が余計にみんなとの壁を作っていました。
「どうしていつもいなくなるんだろう?」「どこに行ってるんだろう?」「車でしょ?」なんて思われていたと思います。わかってはいたけど、私には休憩時間がそれほど苦痛だったんです。
たった一言から変わりました
当時の私にとって、職場の人たちは敵のように感じられました。いつ怒号が飛んでくるかわからないから、ビクビクしながら黙々と仕事をしていたんです。
ある日、遠くで意地悪な保育士がいつものように私に向かって怒鳴っていたとき、そばにいた別の保育士が「怖っ!」と言いました。
「もしかして、みんなもあの人が苦手なの?」と思った瞬間でした。
そこから周りの人間関係が見えてきて、意地悪な保育士が職場の代表ではなく、実は厄介者扱いだったことに気づきました。
私が周りをよく見るようになってからは、少しずつ他の人と話すことが増え、声をかけてもらえるようになり、仕事もやりやすくなりました。
自分が孤立していると感じると、その気持ちは相手にも伝わって、話しかけにくい雰囲気が生まれるのかもしれません。
でも、気持ちがふさがると抜け出すのは本当に大変です。私の場合、他の保育士が「怖っ!」と言ってくれたのがきっかけで、少しずつ気持ちが楽になりました。
今度は私がきっかけになる
それ以来、新人を迎えるときには「敵じゃないよ」と伝わるような接し方を心がけています。挨拶を笑顔でするだけでも全然違います。保育園のルールについても、「このことはもう聞いた?」と気軽に声をかけるようにしています。
あのとき「怖っ!」と言ってくれた保育士さんのように、新しい人にとっての「きっかけ」になれたらと思います。
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