保育現場で「そんなの聞いてない」と思ったら|あと出しジャンケン的な指導との付き合い方

保育園で働き始めると、

「そんなの聞いてない」
「先に教えてくれたらよかったのに」

と思うことがあります。

やり方を教わっていないのに、やってみたら「それは違う」と注意される。
初めて聞くことなのに、「そんなことも知らないの?」という反応をされる。

後から正解を出されるような状況に、まるで「あと出しジャンケン」のようだと感じることもあるかもしれません。

もちろん、新しく入った職員に必要なことを伝えるのは、受け入れる側の役割です。
一方で、保育の仕事には、事前にすべてを説明することが難しいという側面もあります。

保育の仕事はとても細かく、その場の状況によって判断が変わることも少なくありません。
さらに、その園で長く働いている人にとっては当たり前になりすぎていて、「新人は知らない」ということに気づいていない場合もあります。

実際、長く勤めている保育士に質問しても、

「たぶん、こうだったと思う」
「そのときによるかな」

と、曖昧な答えが返ってくることがあります。

明確なルールとして決まっているのではなく、経験の中で身につけてきたことも多いからです。

そのため、

誰かが違う行動をする
→ そこで初めて「そういえば、これは伝えていなかった」と気づく

ということが起こります。

受け取る側からすれば「あと出し」ですが、伝える側も、その場になって初めて伝える必要があることに気づいたのかもしれません。

そうはいっても、知らなかったことで強く注意されれば、気分のいいものではありません。

「まだそんなことも知らないの?」

などと言われれば、腹が立ったり、自信をなくしたりすることもあるでしょう。
そんなときは、まず

「これは今、初めて知ったこと」

と自分の中で整理してみてください。

必要であれば、

「そうだったんですね。次から気をつけます」
「教えていただいてありがとうございます」

など、その場に合った返し方をすれば十分です。

教わっていなかったことまで、「知らなかった自分が悪い」と考える必要はありません。
一方で、今回知ったことは、次から自分が動くための新しい情報になります。

ここで難しいのが、指導の内容そのものよりも、相手の言い方に腹が立ってしまう場合です。

同じことを伝えられても、
「ここではこうしています。次からお願いします」

と言われるのと、

「そんなことも知らないの?」
と言われるのでは、受ける印象はまったく違います。

理不尽な言い方まで「指導だから仕方がない」と受け入れる必要はありません。

ただ、腹立たしい言い方と、そこで教えられた内容は、できれば分けて考えたいところです。

言い方には納得できなくても、必要な情報だけは受け取っておく。

これは相手のためではなく、自分がその職場で動きやすくなるためです。

新しい職場では、その園独自のやり方や、言葉になっていないルールに少しずつ出会います。

本来なら事前に教えてほしかったこともあるでしょう。
「それくらい最初に言ってよ」と思うことがあって当然です。

それでも、そこで知ったことを一つずつ自分の中に蓄えていけば、少しずつ「この園ではどう動けばいいのか」が見えるようになります。

もしまた、
「そんなの聞いてない」

と思う場面に出会ったら、

「また一つ、この園のやり方を知った」

と、まずは情報として受け取ってみてください。

相手の伝え方まで自分のせいと思う必要はありません。
知らなかったことを知り、自分が次にどう動くかを考える。

そうやって一つずつ現場の情報を増やしていくことが、保育園で働く自分を少しずつ楽にしてくれると思います。

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