「この記事は、未経験から保育園で働き始めた方で、職場で理不尽な扱いを受けて悩んでいる方に向けて書きました。」
これまでにいただいたご相談の中で、「この方、どうも厄介な人と組まされているな」と感じたことが何度かあります。ご本人がとても悩んでおられるのですが、実はこれ、試験組保育士にはよくあることなんです。
今回は、そんな状況に置かれてしまった時の考え方と対処法についてお話ししたいと思います。
なぜ試験組は「厄介な人」と組まされやすいのか
まず、なぜこんなことが起こるのかを理解しておきましょう。
保育園では毎年、職員が次年度の希望を出す面談があります。「未満児がいい」「5歳児がいい」といった年齢の希望とともに、実は「一緒に組みたくない職員」の名前を挙げることも珍しくないんです。
私がフリー保育士をしていた頃、園長からこんな愚痴を聞きました。
「今年もね、全員がA先生と組まないなら、どこでもいいと言うのよ。はぁ~。困っちゃうよね、誰かが犠牲になるしかないんだけど…」
A先生は正規職員で、人当たりが強くてワンマンな方でした。公立保育所でしたが、その界隈では有名な存在。
その年、A先生と組んだのは新しく来たパートの先生。
その先生、1か月以内に辞めてしまいました。
残りの日数はフリーで穴を埋めました。
次の年は別の保育所から異動してきた中堅の先生が組み、1年間「戦った」後、A先生は異動していきました。
つまり、こういう流れなんです
- 年度初めなら「新しく来る人」
- 中途採用なら「辞めた人の穴埋めとして何も知らない人」
こうして、何も知らない試験組保育士が、その職場で扱いに困っている「厄介さん」と組まされてしまうことがあるんです。
あなたが出会っているのは「厄介さん」かもしれません
働き始めて、こんな風に感じたことはありませんか?
- 「なんか怖すぎないかい?」
- 「どうしてここまで言われないといけないの?」
- 「この人、絶対おかしいよね?保育士ってみんなこうなの?」
それは、その職場でも手を焼いている「厄介さん」かもしれません。
ある新人試験組保育士さんは、常に罵倒されていて、それでも自分の対応が悪いのだと思っていました。まれに仕事の説明をしてくれることがあって「ありがとうございます」と言ったら、「いちいちうるさいんだよ!」とキレられたそうです。
園長に相談したところ「みんなも我慢してるんだから、あなたも我慢して」と言われ…。
他の職員はさりげなく助けてくれたり「あなたが悪いんじゃないよ」と言ってくれるものの、その「厄介さん」が怖くて表立っては助けてくれない状況でした。
「厄介さん」との付き合い方
では、もしそんな状況に置かれてしまったら、どう対処すればよいでしょうか。
- まずは自分を責めないこと
「ヤバい、つらすぎる…」という人に出会ったら、まずは自分を責めずに「厄介さん」の可能性があることを思い出してください。あなたの能力や人間性の問題ではありません。
- 他の職員との関係を大切にする
今その職場で働いている他の職員の方々が、お手本になります。
- 「厄介さん」以外の人との交流を心がける(ひっそりと)
- 「厄介さん」対処法を少しずつ聞き出す
- 上の人に相談しても、その状態を放置している時点で力にはならないことを理解する
我慢のし過ぎは禁物です
ただし、体に不調が出てくるようなら、すぐに離れた方がいいです。
どの職場もいろいろ問題はありますが、強烈な「厄介さん」がいない保育園もたくさんあります。
転職は悪いことではありません
試験組保育士さんは「転職」することに抵抗が強く、「履歴に傷がつく」とよくおっしゃいます。転職が一般的ではない業界の経験があると、どうしても決断が難しいのですね。
でも、保育園に関しては、転職はそれほど大きなデメリットになりません。つらい職場から転職して、はじめて保育の仕事の楽しさを知ったという人は少なくないんです。
一人で悩まないでください
自分で判断できないときは、同じ経験をしている人と話ができるといいですね。
もしよかったら、試験組保育士が集まるLINEオープンチャット「ほっとる~む」に参加しませんか?無料で利用できるし、いつでも参加、退会できます。
最後に
保育園すべてがこうした問題を抱えているわけではありません。でも、もしあなたが今、理不尽な扱いを受けて悩んでいるなら、それはあなたの問題ではない可能性が高いです。
あなたには、安心して働ける環境で保育の仕事を楽しむ権利があります。一人で抱え込まず、必要なら環境を変える勇気も大切ですよ。