「保育士は声が大きい方がいいの?」
と聞かれたら、皆さんはどう思いますか?
声が多きことは、保育士にとって必ずしも必要な条件ではありません。
声が大きいと、声を届かせたいときに役立つことはあります。
でも、逆効果になることもあるんです。
声が大きいと逆効果?
実は、声が大きいと、逆に子どもが話を聞かなくなり、騒いで落ち着かないという事態が起こることがあります。
保育者が大きな声で子どもたちを静かにさせようとすると、かえってその場が落ち着かなくなることもあります。
注意するときにいつも大きな声を張り上げていたら。
その時は効き目があったように見えますが、それはただビックリしたり、怖くて黙っただけ。
驚いたり、怖さを感じたりして一時的に静かになっただけなら、こちらが伝えたかったことまで理解できているとは限りません。
そして、そのうち大きな声にも慣れて効き目もなくなっていきます。
声の小さい保育士でも大丈夫
子どもたちは保育園で長い時間を過ごします。
とくに個々に接するときは、大きな声よりも静かで落ち着いた声かけの方が向いています。声が小さい方が良い場合もあるのです。
大勢に向けて話すときも、声が小さくても、子どもたちが集中して話を聞く落ち着いた雰囲気を作り出せる先生がいます。
これは、「先生は何を言っているのかな?」と子どもの興味を上手く引き出せたから。
もちろん、声が大きいこと自体が問題なわけではありません。
場面によって大きな声と静かな声かけを使い分けることが大切なのではないかと思います。
声の大きさよりも、話し方や話す内容、タイミング、そしてテクニックなのです。
ベテラン保育士のテクニック
子どもたちが騒いでいるときに、話を聞かせたいとき。大声で呼びかけなくても子どもが集中して話を聞く先生がいました。
「あ、子どもたちは先生の話を聞きたいと思ったんだな」
と、見ていてすぐにわかります。
あるとき、その先生がみんなの前に立ちました。子どもたちはザワザワとおしゃべりをしています。
すると、その先生は黙って子どもたちを見つめ始めました。
一人と目が合うとニコリ。そしてうなずく。
目が合った子は、先生がこれから何かを始めようとしていることに気づいていきます。
こうして、あっという間に子どもたちは先生に集中したのです。
大事なお話が始まるときの合図を決めている先生もいました。
先生がゆっくりとリズムよく手をたたき始めると、気づいた子からそのリズムに合わせて一緒に手をたたき始めます。
一人、二人と手をたたく子が増えることで、徐々にお部屋は静かになります。
大きい声を出さなくても、大勢の子どもの注意を引くことはできるのです。
子どもたちに声を届けたいとき、声の大きさは問題ではありません。
声が小さくても工夫しだいで声は届きます。大きな声なら、場合によって使い分けるといいでしょう。
話し方やタイミングを工夫することで、効果的に子どもたちと接することができます。
上手な先生の「声の届け方」を観察してみよう
職場に、声を張り上げなくても子どもたちが自然と耳を傾ける先生がいたら、ぜひその様子を観察してみてください。
どんなタイミングで声をかけているのか。
子どもとの距離はどうか。
話し始める前に、どんな工夫をしているのか。
声の大きさだけではなく、子どもの注意をこちらに向けるための工夫が見えてくるかもしれません。
保育では、安全のために大きな声で知らせる必要がある場面もあります。一方で、近くに行って静かに話した方が伝わることもあります。
大切なのは、声が大きいか小さいかではなく、その場面で子どもにどうすれば届くのかを考えること。
いろいろな先生の関わり方を見ながら、自分にもできそうな方法を少しずつ増やしていけるといいですね。

