フリーや補助で働いているとよくあるのが、「その日何をするのか分からない」という問題です。

今回はフリーや保育補助で働く現場の先輩たちの声を集めた、この「情報共有問題」について考えてみたいと思います。

  • 「クラスに入ったけど、今日何するの?」
  • 「聞きづらくて...」
  • 「聞いても教えてくれなかった」

こんな経験、ありませんか?

よくある状況:「今日何するの?」が分からない

フリーや補助の立場だと、各クラスを回るので、その日の予定をあらかじめ知らされないことがよくあります。フリーや補助の保育士は、その日のクラスの予定をほとんど知りません。

その日、散歩の前に発表会の歌を練習をするよとか、制作やるよとか、健康診断の残りをやるよとか。20秒でいいから教えてくれると助かります。

フリーの時期が長かった私は、いつもそう思っていました。クラスを持たない職員は、それぞれのポジションでどう動くかを学んでいます。それでも、いつも通りと思って動いていると、何やらいつもと違うものが出てきて「アレ?」ってなることがあります。

何も知らされないまま「はい、制作の準備して」と言われて焦ったこともあります。準備もできてないから子どもたちを待たせることになるし、何より自分が落ち着かない...。

中には聞いても教えてくれず、後から「なぜ準備できていなかったの?」と言われることもあるんですよぉぉぉ・・・。

つらいですよね。

なぜこんなことが起きるの?

こういう状況が生まれる理由はいろいろあります。

  • 忙しさ:朝は特に慌ただしく、情報共有の時間がない
  • 園の体制:情報共有の仕組みがそもそもない
  • 人間関係:質問しづらい雰囲気がある
  • 担任の意識:「フリーだから何でもやってくれるでしょ」という思い込み

私が経験した園では、「フリーは何でもできる万能選手」というイメージがあって、むしろ教えなくても分かるだろうという前提で接してくる担任もいました。

でも実際は、初めてのクラスで何も知らないままだと、本当に大変なんですよね。

先輩たちの工夫

では、現場の先輩たちはどうやってこの問題を乗り越えてきたのでしょうか?

1. 自分から情報を取りに行く姿勢

保育室に入ったら、人数票と伝達票を見て、その後担任(聞きやすい方)に、1日の流れと、自分がどこのサポートに入るかを聞くようにしてます♪

こんな風に自分から情報収集する姿勢が大切です。最初は勇気がいるけど、習慣にすると自然にできるようになりますよ。

2. シンプルに質問する

入室しながら最初に1日の流れを聞いたらいいんじゃない!?

「今日どうするの?」これだけ聞きましょう♪

難しく考えすぎず、シンプルに聞くのが一番!

この一言が言えるようになると、ずいぶん楽になります。

3. 園の情報共有システムを活用する

ボードに1週間の主活動内容を掲示してますし、自分から『今日の予定の変更ありますか?』と聞ける関係性があるので

私の前園は週案を事務所に貼っていましたよ!全員で全クラスの活動や、ねらいを共有できて良かったです

園によっては、こんな風に情報を共有する仕組みがあります。自分の園ではどんな方法があるのか、ぜひ探してみてください。

困っている新人保育士へのアドバイス

特に新人さんは、最初は何もかもが分からなくて当然です。焦らずに、でも少しずつ自分から動けるようになれるといいですね。

1. 朝一番のちょっとした勇気を出して

朝、保育室に入ったら、「今日の活動はどんな予定ですか?」と担任に一言聞くところから始めてみましょう。

聞きづらくても、自分のため、そのクラスの職員のため、そして子どもたちのためと思って勇気を出してください。

実は、私も最初はすごく聞きづらかったんです。でも「聞くことでみんなのためになる」と思って質問するようにしたら、だんだん言いやすくなりました。

2. 観察力を磨こう

今月の予定や今週の予定などが掲示されている場所はないですか?

職員室の掲示板や、保育室の片隅など、園の情報共有の仕組みを見つけることができれば、自分から情報をキャッチできるようになります

3. 味方を作ろう

全ての先生と仲良くなるのは難しいかもしれません。まずは話しやすい先生を見つけて、少しずつ輪を広げていきましょう。

最初は限られた先生に少しずつ教えてもらって、だんだんに他の先生とも話が出来るようになっていくといいですね。

4. サポート役としての姿勢を示す

「手伝いに来ました。何をすればよいですか?」という姿勢で接すると、担任も情報を共有しやすくなります。

5. 子どものためという気持ちを忘れない

「円滑に仕事を回す事が最終的に子どもたちの為になる!という信念でコミュニケーションを取るのが大事」

これは新人の頃、大先輩から言われた言葉です。

この言葉の通り、最終的には子どもたちのために皆で協力する姿勢が大切です。

うまくいっている園の取り組み

実は、情報共有がスムーズな園もあります。

私の幼稚園は、毎朝、朝礼でその日の予定を各クラスの担任が報告するので、把握できます。フリーで担任の代わりにクラスに入る時は、日程や気をつけることなどノートに書いてもらっています。

うちの園はこの4月から1日の予定を朝の会に職員で共有してます。

こんな素敵な取り組みがある園、増えているといいですね!

もし自分の園にこういった仕組みがなければ、いずれ先輩保育士と相談して提案してみるのも良いかもしれません。

一歩踏み出す勇気と工夫で乗り越える

情報共有の問題は、新人だけでなく、ベテランのフリー保育士さんも感じていることです。でも、先輩たちの声からも分かるように、自分から一歩踏み出す勇気と工夫があれば、乗り越えられる壁でもあります。

最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ自分のスタイルを見つけていってくださいね。

何より大切なのは、「子どもたちのために」という思いです。その思いがあれば、きっと良い保育者に成長できるはずです。