今日は少し肩の力を抜いて、保育園での「虫」エピソードをシェアしたいと思います。
保育園での虫との関わり
保育園では『虫』と関わることが多いですよね。
「虫好き」「虫平気」「虫ダメ」と、先生たちの間でも反応はさまざま。ダンゴムシを見つけて喜んで触る先生もいれば、部屋に入ってきた小さな羽虫に「キャー!」と子どもよりも大騒ぎする先生も…。
虫が苦手な先生、あなたの園にもいませんか?
カイコ育成の伝統
以前、私が働いていた園では『蚕(カイコ)』を育てていたんです。卒園式に向けた特別プロジェクトで、マユを制作に使うのが伝統でした。
でも!このお蚕さんのお世話が大変なんですよ〜。
彼らがどれだけ食欲旺盛か知ってますか?桑の葉をものすごい勢いで食べ尽くしていくんです。
ということは…新しい葉をどんどん入れないといけない。残った葉脈や大量の糞を片付けないといけない。
育ったお蚕さんを別容器に移して掃除をするのですが、これが虫の苦手な人には本当に大変!
虫の苦手な保育士
年長クラスの担任が中心になって世話をするんですが、その時の担任は虫が超苦手な先生で…。
「ギャー!」「ヒャァ〜!」と叫びながらお世話する姿に、子どもたちは大喜び。普段は落ち着いた先生のそんな姿を見て、子どもたちはワクワクしてる(笑)。
でも面白がりながらも、すぐに「先生、こわい?」「僕がやってあげる!」と子どもたちが寄ってきます。
虫を触るのが大好きな子どもたちにとって、カイコのお世話は楽しい作業。先生を助けられるなら、なおさら張り切ってお手伝いしてくれるんです。
助けたい気持ちと、助けられない事情
私は実は虫が大好き。お蚕さんのお世話も全然OK!「お手伝いしましょうか?」と申し出たこともあるんです。ただ、私のような別の大人が代わりにやるのを快く思わない職員もいるんですよ。
「担任の仕事だから…」という雰囲気というか。
でも大丈夫!そのクラスでは、嬉しいことに、虫大好きな子どもたちが先生の仕事も全部引き受けてくれました!
子どもたちの成長、見守る大人たち
最初から子どもたちの仕事にしたら良かったのでは?と思ったけど、この自然な流れには意味があったのかも。「先生を助けたい」という気持ちで子どもたちが自主的に取り組むようになったんです。先生の「弱点」を知って、「僕たちが助けてあげる!」
という気持ちが芽生えたみたい。
それって、とっても素敵なことだなって思いました。
苦手なものは苦手と素直に表現できる先生(笑)。
それを見て自分たちができることを考える子どもたち。
もちろん、子どもの中にも虫の苦手な子はいて。でも、苦手なら代わりにやってあげるよっていう行動が見られました。
やさしいなって。
実は、これって大切な学びですよね
保育所保育指針では、3歳以上児の「環境」領域について、こんなねらいが示されています:
「身近な動植物に親しみをもって接し、生命の尊さに気付き、いたわったり、大切にしたりする」
カイコのお世話は、小さな命を大切にする気持ちが育つ、よい機会だなと思います。カイコをやさしくそっと別の箱に移したり、お部屋をきれいにしたり、新鮮なごはんを用意してあげる気持ち。
また、「自然などの身近な事象に関心をもち、取り入れて遊ぶ」というねらいも、まさにカイコ育成を通じて実現されていました。子どもたちは観察を通してカイコの成長過程に興味を持ち、それを会話や絵に表現していましたから。
虫が苦手な先生の代わりをしてあげようという行動も、五領域の「人間関係」にも当てはまりますね。
子どもが人との関わりの中で、自己を発揮しながら相手の気持ちにも気づき、相手を思いやる気持ちをもつようになること。
他にも探したら、いっぱい出てきそうです。
虫が苦手って克服できるものじゃないですよね。苦手な人を見ていて本当にそう思います。
でも、大人が完璧である必要はないんです。むしろ、大人の「苦手」や「弱点」が、子どもたちの優しさや主体性を引き出すきっかけになることもある。
虫が苦手な先生も、どうか安心してください。
その苦手さが、きっと子どもたちの成長につながる素敵な瞬間を生み出してくれるはずですから。
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