保育士デビュー前に知っておきたい5つのこと

現場での基礎知識

保育士試験に合格し、いよいよ保育士として働き始める。
うれしい反面、

「資格は取ったけれど、現場でちゃんと動けるかな」
「子どもとうまく関われるかな」

と不安に感じている人もいるかもしれません。

特に、他の仕事を経験してから保育士になる人にとって、保育園はこれまでの職場とはずいぶん違って見えることがあります。
仕事の進め方も、人との連携の仕方も、園によっては職場としての「当たり前」さえ違います。

知らずに飛び込むと戸惑うことも、最初から「そういうこともある」と知っていれば、少し落ち着いて受け止められます。

今回は、私自身が試験を受けて保育士になり、現場で働いてきた経験から、デビュー前に知っておいてほしいことを5つお伝えします。

1.保育は一人でする仕事ではない

保育は、周囲の職員と連携しながら進める仕事です。

たとえば、子どもたちが園庭から保育室へ戻る場面。
そのとき現場では、

子どもと一緒に片付けをする
入室する子どもを見守る
着替えを援助する
脱いだ衣類や靴を整える
次の活動や給食の準備をする
園庭の後片付けをする

といった複数の仕事が同時に動いています。

自分に頼まれた仕事だけを見ていると、その後ろで何が必要になっているのかに気づけないことがあります。

とはいえ、働き始めたばかりで周囲の動きをすべて把握するのは難しいものです。

最初から何でもできる必要はありません。
まずは目の前の仕事を覚えながら、少しずつ周囲を見る範囲を広げていけば大丈夫です。

「保育は、自分一人の仕事を終わらせればいい仕事ではない」

それだけでも知っておくと、現場の見え方が変わってきます。

2.「子育て経験」と「保育」は同じではない

子育て経験がある人は、それを保育の仕事にも活かせます。

子どもの生活や発達を実際に見てきた経験は、大きな強みです。
ただし、子育てと保育は同じではありません。
家庭では自分の子どもを育てますが、保育士は専門職として複数の子どもを預かります。

特に大きく違うのが、安全への意識です。

保育園では、一人の子どもだけを見ていればよいわけではありません。

「ここで転ぶかもしれない」
「あの子がこちらへ動いたらどうなるだろう」
「今、死角になっている場所はないか」

集団全体を見ながら、起こり得る危険を予測します。

また、子どもの姿を見て、

「どんな成長が見られたのか」
「今、何に興味を持っているのか」
「次にどんな援助や環境が必要なのか」

と考えることも保育士の仕事です。

子育て経験があるからこそ、つい自分の育児を基準に考えてしまうこともあります。

これまでの経験を活かしながら、専門職として子どもを見る視点を新しく身につけていくことが大切です。

3.最初からすべて教えてもらえるとは限らない

初めて働く人に必要なことを伝えるのは、受け入れる園側の役割です。
ただ実際には、仕事の教え方は園によってかなり違います。

一つずつ丁寧に教えてくれる園もあれば、現場に入りながら覚えていくことが多い園もあります。

さらに、保育には言葉で説明しにくいこともたくさんあります。

何を優先するのか
いつ動くのか
どこまで自分で判断してよいのか

こうした現場の基準は、周囲を見たり、実際に経験したりしながら少しずつ分かってくるものです。

分からないときには、

「次は何をしたらいいですか?」
「これは私がやっても大丈夫ですか?」

と確認してみてください。

教わったことはメモしておくと、あとから振り返ることもできます。

ただし、何も説明されないことまで「自分の努力が足りない」と考える必要はありません。
分からないことを聞く側と、それに応える側。
両方の歩み寄りがあってこそ、仕事は少しずつ身についていくものです。

4.園によって「当たり前」はかなり違う

保育園で働き始めると、

「前の職場ではこんなことはなかった」
「これって普通なの?」

と驚くことがあるかもしれません。

仕事の進め方や職員同士の関係だけではありません。

休憩の取り方
休暇の申請方法
服装
持ち物
子どもへの関わり方

など、
園によって違うことはたくさんあります。

一つの園で経験したことが、別の園でも同じとは限りません。

だから、違いに出会ったときには、まず

「この園では、こうしているんだな」

と一度切り分けて考えてみるとよいと思います。

ただし、何でも「保育園とはこういうもの」と受け入れる必要はありません。
法律や安全に関わること、明らかに不適切な扱いなどは別の問題です。

単なる園ごとの違いなのか、それとも問題のある状況なのか。

すぐに結論を出さず、周囲の様子も見ながら整理していきましょう。

5.最初からうまくできなくて当たり前

保育士試験に合格すると、保育士として働く資格を得ます。
でも、試験勉強で学んだことと、現場で実際に動くことは同じではありません。

子どもへの声のかけ方
複数の子どもを見るときの立ち位置
職員同士の連携
一日の流れを予測して動くこと

こうしたことは、実際に働きながら身につけていく部分がたくさんあります。

だから、最初から周りの保育士と同じように動けなくても、それだけで「向いていない」と考える必要はありません。

分からない。 できない。 気づけない。

そこから一つずつ経験を重ねていくのが、保育士としてのスタートです。

昨日分からなかったことが今日は分かった。 前回気づけなかったことに、今回は気づけた。
そんな小さな積み重ねで十分です。

知らないことがある前提で、保育士を始めよう

試験を受けて保育士になる人には、それまで別の仕事や子育てなどを通して身につけてきた経験があります。
それは、保育現場でも大きな力になります。

一方で、保育の現場に入って初めて知ることもたくさんあります。

これまでの経験を活かしながら、新しい職場のやり方や保育の考え方を一つずつ学んでいく。
「資格を取ったのだから、できなければいけない」と考えず、知らないことがあるところから始めていい。

そんな気持ちで、最初の一歩を踏み出してほしいと思います。

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