10月から保育士デビューする国試組の保育士さんは多いと思います。学生さんと違って、年度途中でのデビューは国試ならでは、ですね。

社会人経験があると、どうしても前職で身につけた社会常識で職場を見てしまいます。
でも、業界が変わると仕事に対する考え方も、組織のありかたもガラリと変わってしまうことは珍しくありません。

今日は、他業種からの転職をするときに大切な心構えについてお話しします。

保育士デビュー前に知っておきたい5つのこと

デビュー前に知っておいて欲しいことは次の5つです。

  • 自分の仕事に専念することはできない
  • 保育と育児は違う
  • 教えてもらえるとは限らない
  • 労務管理がずさんな保育園もある
  • イジワルな保育士は実は少ない

ではひとつずつ見ていきましょう。

自分の仕事に専念することはできない

保育はチームで仕事をしている。
連携が大事。

これはよく聞く話ですね。

子どもの活動の流れをスムーズにするために、いろんな角度から人が関わっています。

一つの活動が次へ移るとき。

例えば「園庭から部屋に入る」、それだけでも

  • 子どもについている人(遊び、片付け、入室、着替えなど)
  • 入室の準備をする人(足洗いの準備など)
  • 入室の援助をする人(着替え、脱いだ衣類や靴の管理など)
  • 次の活動の準備をする人(給食の準備など)
  • 園庭の片付けをする人(後始末)

こんなふうに複数の役割が同時に平行して動いています。
自分に与えられた仕事に専念するのは、ほとんど不可能です。

最初は難しいけど、意識していればだんだん周りが見えてきますよ!

保育と育児は違う

育児は親として、保育は専門家として子どもと接しています。
頭では分かっているのですが、いざとなるとなかなかすぐにはできません。

保育の専門家として接するための最初の一歩は、子どもの安全を意識することだと思います。
これは親が子どもの安全を意識するのとはだいぶ違います

子どもがケガをしたときに「見ていませんでした」は通用しません。

集団生活のなかで、どんな危険が起こりうるかを常に意識して、安全に対する感度を上げていきましょう。

もう一つ大きな違いとして、専門家として子どもを見ている、ということです。

毎日書いている保育日誌には、今日の活動のほか、子どもたちにどんな成長が見られたか、どんな課題があるかも記録されます。

​その記録を分析し、子どもの成長や今後の課題を見つけて次の保育の計画を立てていきます。​

子育てとはずいぶん違いますよね。​

教えてもらえるとは限らない

新人として最初からしっかり保育業務を教えてくれるところと、ほとんど教えてくれないところがあります。

​アタリハズレ…もあるけど。

国試組新人保育士の心構えとして、「自分から学び取っていく」という姿勢を忘れないでください。

そして教えてもらったことはちゃんとメモしましょうね!

労務管理がずさんな保育園は少なくない

社会経験のある人が前職とのギャップに驚くのはよくある話です。

保育園によってかなり差があるので、保育業界はすべてが独特なわけではありません。当然、普通の園もあります。

もしも自分の社会経験に照らして「おかしい」という保育園にあたってしまっても、まずは騒がずに。

「おかしい」の内容しだいでは転職が必要になってくるかもしれませんが、間違っても保育園を責めることはしないように。
デビューしたてで園のやり方にあれこれ言うと、その後の仕事がやりにくくなります。

多少の譲歩で働きやすい環境を手に入れられることもありますから、ほかの職員がどう受け止めているか、少し観察してみましょう。

判断するのはその後です。

イジワルな保育士は実は少ない

パワハラ上司もお局もイジワルな同僚も、どんな業界にもいるでしょう。だからといって社員全員がイジワルってことはないですよね。

保育業界も同じです。

口うるさい、イヤミでイジワルな人はほんの一部。そういう人は声が大きく目立つから、「みんなが…」って思っちゃう。
でも「みんな」じゃないですよ。

まともな人、優しい人もいるから、すぐに絶望してしまうのは早いです。
落ち着いてゆっくり周りを見てくださいね。​

他業種から保育士としてデビューするには、柔軟な対応力必要です。
しっかり心の準備して、楽しく仕事を始めましょう!

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