2024.6.5 配信

むかし、保育園に通っていた子の保護者から

「一部の保育士から子どもを呼び捨てにされていて嫌だった」

と言われたことがあります。

子どもはもう10歳になっているけど、いまだに怒っておられました。

あなたは保育園の子どもを呼び捨てすることをどう思いますか?

「当然ダメでしょう!」って思いますか?

でもね、「呼び捨ての方が愛着を感じる」と本気で言う保育士がいるんですよ。
園長が率先して呼び捨てにするところもあります。

保育士が子どもを呼び捨てにする理由

保育士が呼び捨てをする理由。

それは

  1. 愛着表現であり、敬称を付ける方が無機質で距離を感じる
  2. 子どももその方が先生との距離が近く感じて喜んでいる(保護者意見)
  3. 子どもと自分との個と個のつながりだから、他者からどうこう言われたくない。

大きくこの3つでした。
子どもに対する愛情から生まれた考えのようですね。

(私がとったアンケートと、実際に職場で聞いた結果です)

なんとなく、言わんとしていることは伝わります。

保育士が子どもを呼び捨てにしない理由

では、呼び捨てにしない理由は何でしょう?

それは、子どもを尊重するという考えからです。

子どもの権利憲章には、子どもが尊厳を持って扱われる権利が明記されています。
名前はその人自身を象徴するものであり、敬意を表して呼ぶことが重要です。

これを無視して呼び捨てにすることは、子どもの尊厳を軽視する行為と捉えられるのです。

保育の養成校でも敬称を付けるよう指導しているところが多いようです。
近頃の小学校では多様性も考慮して、「さん」で統一し、「くん」「ちゃん」さえも使わないような傾向にあります。

子どもは、自分の名前を大切にされることで自分が尊重されていると感じることができ、自己肯定感が上がるのだそうです。

そして、尊重された子は、相手のことも尊重できるようになるといいます。

保育士の気持ちと保護者の気持ち

たしかに、3歳以上児さんなら呼び捨てされることで先生との距離が近く感じられることもあるでしょう。

しかし、我が子を呼び捨てされて不快になる保護者の気持ちは無視できません。

保育園によっては、保護者にどんな呼び方をして欲しいか事前に希望をとり、職員間でルール化しているところもあります。
保育者が子どもに対して愛着を表現することも必要ですが、子ども自身の気持ちはまだ表現できなかったり、あやふやだったりします。

だからこそ、保護者の気持ちを尊重したうえで対応していきたいな、と思います。

のる子

2024 .6.5配信