子育てが一段落したことなどをきっかけに、50代・60代で保育士資格を取り、初めて保育現場で働き始める方は珍しくありません。
これまでの人生経験や社会人経験、子育て経験は、保育の仕事でも活かせるでしょう。
ただ、年齢を重ねてから未経験の仕事に入るからこそ、意識しておきたいことがあります。
自分の経験を大切にしながら、新しい仕事をどう身につけていくか。
50代・60代から保育士として働くときに、私が大切だと感じていることをまとめます。
年齢では上でも、保育現場では新人
50代・60代で保育園に入ると、自分より若い先生から仕事を教わることは珍しくありません。園長や主任が自分より年下ということもあります。
そこで意識しておきたいのが、年齢と保育現場での経験は別だということです。
その園で働き始めたばかりなら、まずは仕事を教わる立場です。
年齢差が大きいほど、教える側も「こんなことを言っていいのかな」と遠慮することがあります。
だからこそ、分からないことはこちらから聞く、教えてもらったことにはきちんと反応するなど、「教えてもらう準備ができています」と相手に伝わる態度も大切です。
年下の先輩との関係については、別の記事でも詳しく書いています。
これまでの「自分のやり方」をいったん横に置く
社会人として長く働いたり、家庭を持ったりしていると、自分なりのやり方が身についています。
それ自体は悪いことではありません。
ただ、新しい職場では、そのやり方がそのまま通用するとは限りません。
特に保育園は、子どもの安全や職員同士の連携のために、「この園ではこうする」という共通のやり方を持っています。
まずは、
「私はこうしてきた」より「この園ではどうするのか」を知る。
そこから始めた方が、新しい仕事を覚えやすくなります。
子育て経験は、保育でも活かせる
子育て経験は、保育の仕事にも活かせます。
子どもの生活や発達を実際に見てきたこと、保護者として子どもを預けた経験などが、仕事の中で役立つこともあるでしょう。
ただ、子育てと保育は同じではありません。
自分の子どもを育てることと、専門職としてさまざまな子どもに関わることでは、役割も責任も違います。
これまでの経験をそのまま保育に当てはめるのではなく、そこに保育士としての知識や視点を加えていく。
そうすることで、これまで積み重ねてきたものが、保育の仕事でも少しずつ強みになっていくのだと思います。
年齢を重ねてきたからこその強みもある
50代・60代からのスタートは、若い頃と同じではありません。
でも、それは弱みばかりではありません。
さまざまな人と関わってきた経験や、予想外のことが起きてもいったん受け止められる落ち着きは、仕事の中で役立つことがあります。
保護者や職員とのコミュニケーションでも、これまでの社会人経験が活きることがあるでしょう。
ただし、最初から「自分にはこんな経験があります」と前面に出す必要はありません。
まずはその園の仕事を知り、必要なことを学ぶ。
その中で自分の経験が求められたとき、自然に活かしていけばいいのだと思います。
体力も含めて、自分に合う働き方を探す
もう一つ、50代・60代から働くうえで無視できないのが体力です。
保育の仕事では、立ったり座ったりを繰り返したり、子どもの動きにすぐ反応したりする場面があります。
ただし、体力には個人差があります。年齢だけで「できる」「できない」を決めることもできません。
大切なのは、今の自分がどのくらい働けるのかを実際に見ながら考えることです。
未経験から始めるなら、最初から無理に勤務日数や時間を増やさず、
「もう少し働けそう」
「今はこのくらいがちょうどいい」
と、自分の状態を見ながら調整していく方法もあります。
長く働き続けたいのであれば、無理をして働くことより、無理なく続けられる働き方を見つけることも大切です。
50代・60代からでも、新しい経験は積み重ねられる
50代・60代で保育士として働き始めるとき、それまでの経験で得たものと、これから新しく学ぶことがあります。
まずはその園での仕事を学び、保育士としての経験を一つずつ積み重ねる。
その中で、これまでの人生で身につけてきたものも少しずつ活かしていく。
年齢にとらわれすぎず、自分に合ったペースで保育士としての経験を重ねていけばいいのだと思います。

