私自身、いくつかの保育園で働いてきて、最初はよく思っていました。
「なんでこんな面倒なやり方で…」
「もっと効率のいいやり方があるのに…」
目についた「不思議なルール」たち
例えばこんなこと:
- おもちゃのブロックを消毒するとき、箱の中で同じ色同士に分ける
- コップ1つでも必ずワゴンに載せて給食室に戻す
- 頻繁に記録する表をファイルに入れてそのたびに抜き差ししてる
- 連絡帳は登園した順番で並べる
- 子どもの荷物をかけるラックを保育室から遠い場所においている
- 保育室の隅に廃材が積んである
習慣になるとそれが当たり前になるんでしょうけど、新人からすると「なんでこんなやり方してるんだろ?」って思っちゃいますよね。
でも、ちょっと待って!
ここで「無駄なことしてるなぁ」と判断するのは早いです。そのルールができた背景や理由があるかもしれないんです。
たとえばブロックを消毒した時、同じ色同士で分けて片付けること。何の意味があるのか?と思っていました。いちいち色で分けするのは面倒だったしね。でも、それには理由がありました。消毒をしたかどうかわからなくなってしまい混乱したことがあったのだそうです。そして、その当時発言力のあった人が決めたルールでした。
このルールについてはのちに話題になり、担任が把握していればいいという話になりました。もしかしたらまた、元のルールに戻る日が来るかもしれませんけど…。
実はみんなも「なんだかなぁ」と思っているけど言い出せないことはあるんですね。
新人の態度が与える影響
新しく来たばかりの人から「もっと効率のいいやり方があるよ」と言われたら…ちょっと複雑な気持ちになりませんか。
特に言葉に出さなくても、思っていることは顔や態度に表れるもの。新人はただでさえみんなの注目の的です。やる気があるのかとか、批判的な目で見ていないかとか、いろんな思いで見られています。
「あの子、なんか批判的な目で見てるよね」って思われたら、その後のチームワークにも響いてしまいます。
じゃあ、無駄だと思っても黙って従うの?
結論から言うと…最初はそうです。でも「ただ従え」で終わりではありません。
大切なのは、まずその「無駄に思えるルール」ができた背景や、ほかの職員がどう思っているかを知ろうとする姿勢です。
どうしても気になるときは、「なんでこうしてるんですか?」と素直に聞いてみるのもいいですね。批判ではなく、純粋な興味として。聞き方には気を付けないといけませんよ。
無駄だなと思うことがあったら、口と顔には出さないけど、メモにして残しておくと後で役に立ちます。
慣れてしまうと、その時の疑問を忘れてしまうから。職場になじんで、チームの一員として声をあげられるようになったら、少しずつ提案していけばいいと思います。
まずは知ることから始めよう
最初のうちは我慢することがストレスになってしまうかもしれません。でも、私の考えは「まずは職場を、相手を知ること」。
良くも悪くも、私たちはこれまでの社会経験を基準に物事を判断しています。その判断基準が新しい職場で通用するとは限らないんです。たとえ正しいと思われることでも。
保育業界で働いていくなら、自分のいる保育園のことを知り、業界のことを知り、自分の手の内に入れていくことが大切です。そこから、自分の思い描く保育環境に手を付けていくことができるようになると思います。
ここでやっと、私たちの多様な経験が生きてくるのです。
あなたはどう思いますか?